本州最東端の宮古・田老に来ている。料理ボランティアの会、今回は宮古水産高校への出張授業。120年の歴史を持つ水産高校の食物科の生徒にHAL YAMASHITAの山下春幸シェフによる実習指導と授業、子供達、そして港町の水産関係者にも素敵な刺激になって欲しい。
盛岡までの新幹線は良いが、そこからの2時間半のバス移動が結構辛い、腰が抜ける感じ。遠い。でも楽しみにしている子供達の為、港町の漁業関係者の為にも、新しい魚の楽しみ方を一緒に作ろうとの意気込みは、そんな疲れを吹き飛ばす。
学校での打ち合わせ、仕込み、準備を終え宿舎に移動、夕食は漁協の方、行政の方と魚を食べながら意見交換会。こちらも大変盛り上がり、早朝の市場にも行こうとの話に。
ならばと早めに寝て目覚めたら、何と三陸の海から昇る太陽が拝めた。朝日を浴びる中、色々な鳥も目覚めて盛大に鳴いて居る。眼下には誰も居ないので一人で独占している気がする。
宮古水産高校食物科2年生40名の生徒達は新しい野菜やハーブに興味津々、一番出汁の透明な味に目を見開き、初めて本物の鰹節を削る体験など、貴重な時間を過ごしている。
テレビや新聞の取材も入っているし、校長先生や多くの教職員の方が見学するなど、多分普段の授業とは全く異なる雰囲気なんだろうけど、生徒達はそんな事気にせず真剣に実習している。
山下シェフの説明は料理技術だけでなく、料理人の気持ちや心構えを説いたり、世界大会でのエピソードなども。子供達にとって、きっと一生の思い出になるような時間が進行中。
魚の町の若い世代に、新しい魚料理の美味しさを知って貰う事は料理界だから出来る支援活動、でもここで生まれる人と人の素晴らしい関係が一番。
今朝市場に案内してくれた漁協の方が持って来てくれた若布を授業に使用したり、車で送迎して頂いたり、多くの方の支援でこの活動が実現している。有難い。
この話を頂戴し実現に向けて準備してきた仕掛人としても、この盛り上がりはとても感慨深い。(渡辺)