宮古水産高校からお手紙を受け取りました。料理界の活動として、今後も息長く続けていければと思います。チャリティ食事会にご参加くださった皆様、賛助会員様、各シェフ、各パティシエ、皆で、共有できたらと思い、以下にご報告します。
「料理ボランティアの会の皆様の、宮古水産高校に対する1年間のご支援に対しまして深甚の謝意を表します。時が経つのは早いもので、平成23年の東日本大震災、津波の発生から3年が経過しました。岩手県内では内陸部では、東日本大震災、津波の出来事は風化しつつあります。しかし、被災地の復興はまだこれからの状態です。本校の生徒の約2割が未だに仮設住宅の生活を余儀なくされています。仮設住宅は、2年を想定して建設された建物です。3年を経過した今、仮設住宅の綻びが始まっています。また、復興支援住宅の建設は遅々として進んでいません。田老地区では山の整地が始まった段階です。そして今まで行われていた各団体の支援が打ち切られてきています。このような状況の中で、料理ボランティアの会の皆様に継続的に支援を行っていただいていることは、大変ありがたいことであり、感謝にたえません。
生徒達は宮古では、会うことが出来ないシェフの方々と出会い、指導を受け、その料理技術、料理人としての生き方などの面で多くの刺激を受けています。皆さま方との出会いにより、新しい刺激的な世界の存在を実感しています。そして、皆様方との出会いが自分の進路決定において大きな判断材料となっています。校長として大変嬉しく思っています。」(宮古水産高等学校校長 在原 眞様より)
「今年度料理ボランティアの会の支援を受け、沢山の講習会を経験させていただきました。本校は、これまで地元の講師による料理講習会はありましたが、国内外で活躍するプロの料理人に教わるという機会は全くありませんでした。そのため、調理師免許を取得するために入学したにもかかわらず、将来どのような「料理人」になりたい、というはっきりとした目標をもった生徒は少なく感じていました。今年度は、このように沢山のシェフの姿を身近で拝見し、技術を教わり、味を体験し、さらに料理人としての心構え等の貴重なお話しも頂きました。講習会を機に迷っていた進路を明確にできた者もおりますし、生徒全員に共通して「料理をする上での意識」が変わってきたのを感じます。また、技術だけではなく、シェフのみなさんには、沢山の夢や希望を与えていただいたと思います。「夢をもつ」というのは今の生徒にとって簡単ではないようです。しかし、ボランティアの会のみなさんの支援によりシェフのみなさんに出会えたことでそのきっかけを作っていただけたことは確かです。震災を通して出会ったみなさんとの縁ですが、悲しい現実の代償として大きな宝物を得たのではないかと思います。未だに仮設住宅での生活を余儀なくしている生徒もおりますし、親や兄弟、親戚を亡くした生徒もおります。悲しみは消えませんが、このように沢山支えてくださる方々がいることを一生忘れず、この経験や縁を宝物に頑張れると思います。
最後に、生徒には、どの職業に就いても魅力的な人になってもらいたい、と思います。講習会で出会ったシェフのみなさん、支援をしてくださった渡辺様のように魅力的な人になって欲しいです。そしてその魅力というのは努力の上で培われたものだと生徒には話しています。何事にもひたむきに、自分の利益よりも人の幸せを考えられる人になって欲しいです。そして、震災復興の一役になれる人材に育ってくれるのが私たち教員の願いです。本当にこの一年ありがとうございました。」(宮古水産高等学校 食物科職員の方より)