田老には2011年11月の震災半年後にお邪魔したのが最初です。ここ「ホテルグリーンピア三陸みやこ」の敷地内にはいまだに700名程の方がお住まいになっていらっしゃいます。今年の活動は昨年に引き続き、地元の宮古水産高校の生徒と一緒しましたが、お運びを手伝ってもらった昨年より一歩進化して、パティシエが高校生のお菓子作りを指導、それを仮設住宅に住まわれていまるご高齢の方にダージリン紅茶と共にサービスするという形式でした。
前日夜に田老入りしたパティシエ6名シェフ1名は早朝から準備、バスでやってきた宮古水産高校の生徒29名に数種類のスイーツとクッキー焼成を教えながらの実習、帝国ホテル望月シェフが総指揮をとりました。業務用の厨房に入るのも初めての子供達が、大量の苺、バター、ナッツ、栗などと格闘しながら大盛り上がりで頑張り、聞いてみたら「楽しいです??」この時点で企画して良かったと思ってました。メトロポリタン エドモントの石田シェフは昨年に引き続き参加、病気した時にこの子達からのお見舞い寄せ書きに力を貰って治ったとの話したとき、中心になった進めてくれた子供たちが涙を流している姿を見て、こちらももらい泣きしました。そんな素晴らしい再会があった授業でもありました。
ケーキ授業の後、ホテルカレーでの昼食前に子供達はまた違う素晴らしい授業、それは紅茶セミナーです。ダージリンのファーストフラッシュ、セカンドフラッシュ、オータムナルの飲み比べという貴重な体験を担当してくれたのは東北訪問デビューの株式会社リーフルの三田村氏です。様々な準備有難うございました。
本番の「アフタヌーンティの会」には当初見込み通り200名のお客様に来て頂きましたが、料理ボランティアの会のパティシエが地元の子供達の手伝いを得て作った超美味しいケーキの数々とこれまたインドから輸入した本場の素晴らしい香りダージリン紅茶を飲んで頂きました。各テーブルに一人づつ宮古水産高校の生徒が担当して付き、お運びや手が空いた時には着席して交流してもらうという微笑ましい時間もありました。そして・・・料理ボランティアの会賛助会員でもある溝口肇氏のチェロコンサート、幸せそうなご表情、涙を流されている方もいらして、最後に何名もの方から「来年も来てください!」とのお言葉、本当にお喜び頂けたと思っています。
地元の子供たちが作ったお菓子を仮設住宅に住まわれている方にお食べ頂き、交流する手伝いをさせて頂くという裏方の業務ですが、なんといっても被災地の復興を担うのは地元の若者です。彼らを応援し、刺激ある体験をしてもらうために料理ボランティアの会ができるひとつの形であると思います。
東京からの参加者は望月完次郎(帝国ホテル)二上友美(二葉製菓学校)、石田日出男(ホテルメトロポリタン エドモント) 内藤武志(ザ・プリンス パークタワー東京)、三田村和彦(リーフル)、溝口 肇(チェリスト)、盛岡からの参加者はホテルメトロポリタン盛岡の高橋 均、熊谷 崇、山下 学の各氏でした。そして宮古水産高校の熊谷校長、村上先生、生徒さん達、船越博之さんはじめホテルグリーンピア三陸みやこの皆様、皆様大変お疲れ様でした。
文責:渡辺幸裕